Portland通信 1

 

11.25.13 瀬高早紀子

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通信①
ハローハロー。人生初のオープンメール、オンライン通信、という名のブログを書いている自分が不思議でもあり。
わたしは毎日1時間以上は自転車に乗っています。趣味ではなく、仕方なく、移動手段のために。
18歳になりたて、高校卒業間近にとった運転免許は上京後、ただの身分証明証となり、
それから10年以上たったいま、形だけのゴールド免許はアメリカではなんの意味も持たない写真つきカードとなっています。
ポートランドは公共交通機関が整備されているから車がなくても大丈夫、といわれているのは確かだけど実際、生活してみると、車がないとなかなか不便な面も多々ある。とくに”ディーブ”SE[サウスイースト]と呼ばれるわたしの家からでは、N[ノース]になかなか行く気にならない。夜のお出かけも(そんなにしないが)躊躇しがち。シャワー並みの雨を浴びつつペダルをこぎ続けるときもある。
「でもそういう生活を選んでよかったと思っている」とわたしの自転車メンター、ジョエルはへこたれている度にテンションを変えて肯定してくる。It’s gonna be a great day!!!!!
自転車と始まる朝。これがいってらっしゃいの代わりのあいさつとなっている。

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夜はとにかく、ごはん作って、ろうそくに火を灯してゆっくり過ごしたらいいじゃない。坂を越えて橋を渡って、息きらして汗だくになってまでも会いたい人や行きたいところにだけ足を運んだらいいじゃない。
そこまでどうやって来たか、なんてだれも気にしないかもしれないけど、自転車をこいでやって来た、って事実は事実でだれかに何かが伝わったり、めぐりめぐって自分にいい影響になって戻ってくるものだから。そして自転車は世界一、というか、この地球上で最もクリーンでビューティフルな乗り物。と、彼は信じている。
過程が大事。真実は無口で、目には見えない。わかっているわかっているわかっている。けど、貫き通して実行するのはむずかしいものだ。わかっている(つもり)でも、なかなかできないことってたくさんあるね。でもそれをやっている人たちもたくさんいるね。彼らは声高さんたちじゃないから目立たないんだけど、だから好きなんだけど。
たとえばオーガニックとノンオーガニックのナッツは100グラムで3ドル違う。もちろんオーガニックを選ぶ。でもとくに謳うわけでもなくケーキにさらっと入っていたりする。
穴があいてるネルシャツをはおり、さらにはボタンも掛け違ってしまっているような男子たちがそれを当然に思って、作って、売っている。

なんでいま自分がここにいるのかな、と考えることがたまにある。なんでポートランドだったんだっけ?って。こういうところなんだと思うんだな。

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