1.22.14 明音
ふと気づいたら、1月も20日が過ぎていた。
冬休みに出掛けた信楽焼のタヌキで有名な滋賀県の信楽の町と、
京都の鴨川の三条大橋のたもとにいる旅の安全祈願の弥次さんと喜多さん像。
自分の仕事が会社勤めではないからなのか、長い時間家に居ることが問題なのか、お正月の休み明けから数えて2週間。
曜日は把握していたものの、今年は特に日にちの概念が消えていた。
毎年、10日くらいには戻る感覚も昨年の暮れから、ずっとそのままだった。
1月はどの日も空気が冷たく、太陽が控えめで寒かった。
今朝の寒さは、特にきつく朝8時に庭に干した洗濯物が1時間後に凍っていた。
今朝の寒さは、特にきつく朝8時に庭に干した洗濯物が1時間後に凍っていた。
いつもふらふらと出かける奈良公園。一週間くらい前のある日、私は朝9時に奈良公園に到着して、鹿を求めて興福寺の境内を歩いていた。
一人ぼーっと眺めていると、小さな水鳥が一羽寄ってきて、
“なんて、可愛らしい”と思った一瞬、
その鳥は目を合わし、すぐにもとの場所へ戻っていってしまった。
カイツブリという鳥らしい。とても賢い。
“なんて、可愛らしい”と思った一瞬、
その鳥は目を合わし、すぐにもとの場所へ戻っていってしまった。
カイツブリという鳥らしい。とても賢い。
私が餌を持っていなかったのを察し、すぐに離れたのだ。
冬の猿沢池は、数匹の水鳥がいるだけ。
夏の猿沢池は、少し景色が違う。
透き通った数センチくらいのエビも元気に泳いでいるし、驚くほど大量の亀が甲羅干しをしている。ほとんどがミドリガメと言われているミシシッピアカミミガメで、その他のクサガメかイシガメは目を凝らして、やっと2、3匹見つけることができる程度。
それでも、みんなうしろ脚をピーンと伸ばして、仲良くひなたぼっこ。
口はナイフのようにシャープで危ないけれど、目はクリクリしていて意外と愛らしい。
口はナイフのようにシャープで危ないけれど、目はクリクリしていて意外と愛らしい。
日本では、生態系を破壊する外来種のミドリガメを減らすために、今後近いうちに輸入と飼育を禁止することになった。
数十万匹のペットが対象となることが初めてのことで、この環境省の決断は大きな問題になると言われている。全員が環境省の飼育許可をもらうことも困難だろ う。そこで、ミドリガメを飼っている人は処分をしなければならない。自分のペットを殺すなんてこと、大抵の人は出来ないはずだ。この猿沢池のように池や河 川に飼えなくなったミドリガメを放しにくる人が出てくるんじゃないかと想像できる。
私は、このニュースを聞いてからミドリガメのことがずっと気になっていた。
実家にも大きなミドリガメが4匹いる。最初は、私が小学生の時、弟と一緒にペットショップで3匹の小さいミドリガメを買って来た。それは、1匹だとさみしいと思って、たしか3匹にしたと思う。今から25年くらい前の話である。そのあと、もう1匹引き取って合計4匹が暮らしている。私が生きている間は、この4匹のカメと暮らそうと決めている。
日本におけるミドリガメの生態も研究され、カメの寿命は40年と言われている。
ペットとして飼うには、相応しくないのだ。小さく手のひらに乗るくらいの可愛いミドリガメは、昔アメリカから大量に輸入され、丈夫で長生きをする。いずれ30センチの大きさになると家で飼うことは難しいと手放す。絶滅危惧種の固有種であるイシガメも日本の生態系も危機にあるので、ミドリガメだけ依怙贔屓はできないけれど。人間の都合で、ミドリガメも生きてきた。
お坊さんの法話で、人は都合が良いものだけを受け入れ、都合が悪いものを排除する自分勝手な生き物だ、という話をよく聴くことがある。
自分にとって都合が悪い事は、耳が痛いし、気分も落ち込む時がある。
都合が悪いことを引受ける力、とは。