4.22.14 石井文得

Bard Collegeのキャンパスから眺めるハドソン川とキャッツキル。誰でもこの校舎に入って散歩できる。
日曜日は、キリスト教ではイースター復活祭。ユダヤ教ではパスオーバー。
冬が終わり、新しい命があちこちで芽吹き、動物達も冬眠から起きて繁殖する季節。
命が復活する。
そして日付は変わって、イースター•マンデーの昨日は畑仕事再開。
それでもって、本日はEarth day!
地球に住む一員として、私たちは我らの母=地球に感謝とリスペクトを毎日怠らないようにしたい。(もちろん我が母にも感謝を込めて)

去年の秋 ケールと伴にお腹の大きいJenとJon Lineage Farmにて
去年の12月に、私の通うファームのジェンがお母さんになり、昨日は生後4ヶ月と1週間のサム君と一緒に、3人そろって遅目の9時出勤(夏〜秋は6時半出勤)。私は初日ということもあって、午後一でシフト終了。お父さんのジョンはこの春は朝の7時から夜の7時まで、一生懸命寡黙に笑顔を絶やさず働き続ける、素晴らしい好青年。
澄んだ空気に、青い上空にはタカが舞い、白く半分透けた月が見える。鳥のさえずりが四方から聞こえ、冬の間に私はすっかりこの感動を忘れてしまっていた。フィールドに立つと、眠気も疲れも消え去り、農業って本当に大切な営みだと空と大地と相槌する。
ジェンは妊娠時からカイロプラクティックを受け、体の歪み等を調整しながら仕事をしていた。シーズンの終わる出産予定日一ヶ月前まで、大きなお腹で畑仕事を続けてスケジュール通りに無事健康な男の子を自宅で出産。この日も子供をスリングで抱きながら、徐々に体力をつけて農業復帰を行っている。なんて逞しいのだろう!

写真ではサム君、眩しそうですが、ずっとご機嫌でした。
サム君が寝うそうだったら近くにベビーカーを置いて寝かしつけて、仕事を続行。こんな春に、鳥の歌声を聴きながら昼寝が出来るのは、平和な贅沢。私も仕事の合間に、彼の可愛い寝顔と笑顔を見て、とても元気が出た。
この日は、グリーンハウスで芽の出始めた苗を畑に植え替える作業。間隔を測って、一つずつ、シャベルで掘って植えて土をかける。ブロッコリー、チンゲンサイ、ネギ、チャード、レタス、ビーツなどなど。翌日予報では雨となっているので、絶好のtransplant日和。
こうして土に根を下ろし、空に向かってこれから大きく伸びる姿を見て、キリストでも、他の宗教や神話のいろいろな神々でも、イースターの意味する復活、生命の新たな誕生が伺えた。
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こちらチンゲンサイ。すでに「う〜ん」が形容詞になるほど美味しい。これからこの畑に、どんどん野菜が増えて行く。
こんな環境で子供を育てるのは、とっても素晴らしいなぁと改めて思った。テレビやコンピューターから出来るだけ遠ざけて子育てを実行する家族は、この辺りでは多い。ルドルフシュタイナーの学校も点在していて、ライフスタイルから食生活まで、似た志の人々が多く集まる。
この時代、普通だったら小さいころからコンピューターに慣れ、速いスピードで作業、情報処理をこなして行く、スーパーチルドレン達が主流なのだろうけれど。私自身テレビがあまり好きではなく、幼少の頃も、外で遅くまで遊んでばかりいた腕白ものだったので、大切な子供の仕事を遂行していたと思う。
でも、大人になった私でも、便利であるとはいうけれど、インターネットの自主規制がなかなか難しい。なおさら子供なんて、コンピューター時代の簡単なターゲットだ。
沢山のプロジェクトがあって本質的な制作活動を中断せずに行うことが困難なため、先日、ソーシャルネットワークをほぼ引退。友人の様子は、彼らのブログ等でチェックして、世界と繋がるには、今は音楽や自分の作品等でコミュニケートして行きたいと思うので、まず今年は、練習と制作活動が先で、ネットワークは草の根的に各地を廻りながら行いたい。

今週はバルティモアからギター弾きのトミーが泊まりにきて一緒に演奏した。私たちのバンドは明後日からペンシルバニア小ツアーです。オルガン調律師の彼は、どんな曲でも小川のせせらぎの様に、即興で弾くことが出来る。
そして我が家はインターネットサービスも解約しようと計画中。
また大手企業の会社を利用しない日が来るのが待ち遠しい。因に、大手銀行も解約ーやっと地元の小さな銀行に変更中。地元にいない時は、現金は、キャッシュバックで郵便局やスーパーで手に入れることが出来る。
AT&Tからほかの小さい会社に替えたプリペードの電話はキープして、メール等は一日か二日に一回くらい、カフェか図書館まで散歩してチェックしに行きたいと思ってる。写真の仕事などのファイルの送信も、外から出来るはず。
電話も遠出する以外は持ち歩くのをやめて、そんなこんなで、なんだか小学校の時の様に、すっきり自由になった気がする。開放感大!

歌舞伎和菓子のようなとりたち。Cedar Waxwingーヒメレンジャクの大家族が窓の外の木に停まって日向ぼっこしている。30匹くらいの大グループでハングアウト。
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The Peterson Field Guide Seriesより 東海岸の鳥たちシリーズ
マイナス気温が長く続いたハドソンにも、春が訪れたのはつい先日。先週は寒さが再来し、朝目が覚めると、外に雪がうっすら積もったりもしていた。
この春は、野鳥の観察に心ときめかせている。野鳥の本を見ながら、新しい鳥を見つけて、名前を覚えるのは楽しい。
Made in Chinaのボイコットを誓ってから、中国製品で購入せざるを得なかったもの。
それが、このスマートフォン専用の望遠レンズ、、、。
カスタムメイドできる、凄く欲しかったスニーカー、ジャケット、ファッションや日常用品で必要な中国製のものは我慢できた。かわりにMade in USAのニューバランスのスニーかをゲット。アメリカも二酸化炭素排出量は中国に次いで2位だけれど、私はアメリカに現在住んでいるので、せめてローカルの経済を支えるように、アメリカ製のものを見つけるようにもしてる。
でも、やはり、電子機器関連のものは、中国製に頼らざるを得ない。私の一眼デジタルカメラだったら、何十万円もする望遠レンズ。野鳥や隣の庭で日向ぼっこするwoodchuckが、観察、撮影できる。
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ネイティブアメリカンのアルゴンキン族がwuchakと呼んでいたので、それがwoodchuckになったらしい。かわいいこの子。でも農場では収穫物を食べられてしまうので、齧られた野菜を見ては、がっかりする。家の隣には2匹住んでいて、おそらく雌と雄だろう。アングラシーンは、どんなことになっているか全く想像がつかないが、おそらくかなりハイテクだと思う。
鳥の飛び方、鳴き方、行動移動パターン。木、植物の効用、他の生き物との相互作用、意思疎通の方法やら、いろいろな彼らからのレッスン。人間以外の生き物が私たちと共に生きていることをもっと意識して知恵を授かろうとすると、私のこの人間としてのあっという間の一生も、有意義に、他の生き物と共有して暮らせることが出来るだろう。
そういえば、先日友達が Psychic TVやThrobbing GristleのGenesis P-Orridgeのトークショーに行ってきてとても感銘を受けた話を聞いた。
「芸術と日常生活には、境目はありますか」
という質問に、彼女は無いと答えた。
「例を挙げると、、。イギリスでレスキューされたイルカが保護され、その姿を見に多くの人々が、触ったりコンタクトしに集まったという。会場は大盛況で、開催主は商売大繁盛。でも、よく見るとその見せ物プールの中で泳がされているイルカは、塩素とストレスで目が青白くなり病気になっているので、環境保護/動物愛護団体と一緒になり、解放すべきだという運動を行った。最終的にはそのイルカを助け出しリハビリセンターに入れて、海に逃がすことが出来た。」
直接私はその会場にいなかったので、細かい部分は多少誤謬があるかもしれないが、話の要点は、それが彼女のアートだ!と断言したところ。
素晴らしいアートだな!